QDT7月
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45座談会:歯を残しながら、将来を見据えた補綴設計を考える(前)45吉田:本日は、私と奥沢先生と高木先生の3人で、「歯を残しながら、将来を見据えた補綴設計を考える」というタイトルで座談会をさせていただくことになりました。そこでまず、いくつかの資料を示しながら、現在の患者さんたちがおかれた状況について考えてみたいと思います。 今、団塊の世代が60歳代中盤から後半にさしかかっているために、2025年には一斉に後期高齢者に突入することが問題視されています。すでに多くの高齢者が存在する超高齢社会が到来していますが、今後はますます後期高齢者の数が増加することになります。また、地方のほうが高齢者率は高いのですが、今、団塊の世代が首都圏に多く暮らしていますので、今後は首都圏の高齢化がいっそう進むと考えられています。ちなみに、昭和22~24年生まれの人を「団塊の世代」といいますが、その人口は現在650万人とされています。 そうした方々の口腔内の状況について見てみますと、ご承知のとおり今の団塊の世代で総義歯という方はたいへん少なく、歯が残ったまま後期高齢者に進んでいくことが予想されます。こうした方々が要介護状態になったときにどうなるか、という問題も含めていろいろディスカッションができたらと思います。はじめに ─650万人の「団塊の世代」が医療界に与えるインパクト─吉田秀人1958年 神奈川県生まれ1983年 神奈川歯科大学卒業1983年 タケスエ歯科(横浜市戸塚区)勤務1986年 横浜市港南区にて吉田歯科医院開設、現在に至る横浜歯科臨床座談会会員、日本顎咬合学会認定指導医、日本臨床歯周療法集談会(JCPG)常任理事。奥沢康彦1953年 三重県生まれ1975年 慶応義塾大学商学部卒業1985年 日本歯科大学卒業1985年 川又歯科勤務1988年 東京都台東区にて奥沢歯科医院開設、現在に至る横浜歯科臨床座談会会員高木 亮1994年 神奈川歯科大学卒業1994年 大山歯科医院勤務1998年 五十嵐歯科医院勤務2003年 東京歯科大学歯科理工学講座 大学院博士課程修了2004年 エンドウ歯科勤務2004年 たかぎ歯科開業、現在に至る日本口腔インプラント学会認定医、歯科理工学会会員、日本チタン学会会員、日本顎咬合学会認定医、日本歯科先端技術研究所 理事・専門医、日本歯科先端技術研究所 フェロー・マスター。ProfilesQDT Vol.39/2014 July page1005

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