QDT7月
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はじめに われわれ一般開業医がCAD/CAM技術に期待することとは何であろうか? 精度適合性はもちろん、さまざまなマテリアルが使用可能であること(図1)、また補綴物製作の時間短縮やコストダウン、患者の快適性1も大きなメリットであるといえよう。 ただ実際のところ、従来どおりの印象採得を行い、通法にしたがって石膏模型を製作し、その模型をスキャニングするのであれば、いかにCAD/CAM技術を利用したとしても補綴物製作の手順が変化しただけで、われわれ歯科医師にとってさほど大きな変化ではない。たしかに補綴物を製作する手段として鋳造や築盛、プレステクニックだけではなくCAMによるミリングが加わったことにより、酸化ジルコニウムに代表される今までは使用することが困難だった素材が容易に使用可能になった点や、補綴物の製作時間が大幅に短縮された点などさまざまな恩恵をもたらしたが、チェアサイドにおいてはそれほど大きな変化ではない。 ではなぜ、昨今これほどまでにCAD/CAM技術が注目され、Digital dentistryがこれからの歯科治療の代表的なキーワードといわれているのであろうか? その答えのひとつにDigital impression、すなわち光学印象採得技術の進歩が挙げられるのではないかと筆者は考えている。そこで本稿では、その精度に関する文献レビューを行い、その上で光学印象採得を成功させるためのポイントおよび実際の症例を提示していきたい。図1 CERECシステムで用いることのできる代表的なマテリアル。

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