QDT7月
8/8

115115第2回 Gingival Framework Design 支台歯形成で歯肉縁下にフィニッシュラインを設定する目的として、主に審美的・構造的な背景が存在している。特に、審美的要件を満たすためには、生体との調和を獲得するのと同時に、いかに歯列に調和した辺縁歯肉形態を付与するのかも重要な要素と言えるだろう。 サブジンジバルカントゥアを決定する際には、口腔内写真やエックス線写真、プロービングチャートなどの基礎資料を踏まえ、どのような治療経緯でラボサイドにバトンタッチされたのかも十分に把握しておく必要がある。そこで模型上での重要な作業となるのが歯肉のトリミングである。トリミングデザインひとつで歯冠の出現位置は変化し、軸面形態の構成にも大きく影響を与えるため、慎重に対処しなければならない。そのため、安易にトリミング作業を行ってしまうと歯肉との生物学的な不調和を招くだけでなく、歯冠部の形態表現にも大きな支障をきたす。次ページから、適切なGingival Framework Designを行うための実際のワークフローを紹介したい。1.Gingival Framework Design図1a、b 左側中切歯にオールセラミック修復を行った症例。臨床歯冠長を左右側で揃えるために、フィニッシュラインの設定位置に注意しながら、サブジンジバルカントゥアのコントロールによって歯肉レベルに対称性を求めた(IPS e.max Press〔Ivoclar Vivadent〕で製作)。BeforeAfter補綴部位:1患者データ:患者は20代女性。1の審美不良を主訴に来院。Sample Case 1:サブジンジバルカントゥアのコントロールで歯肉レベルの対称性を求めた症例ab症例提供:瀧野裕行先生(タキノ歯科医院)QDT Vol.39/2014 July page1075

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer9以上が必要です