QDT10月
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河相安彦 Yasuhiko Kawai歯科医師・日本大学松戸歯学部 有床義歯補綴学講座千葉県松戸市栄町西2‐870‐1義歯安定剤の適材適所Feature Article #1―その臨床応用を考える(後編)― 前編(9月号)では、わが国の義歯安定剤市場が経年増加を示し、2014年で120億円(某義歯安定剤メーカー予測)と堅調な右肩上がりで、義歯装着者の使用がますます広がっていることが推測できることに触れた。一方、義歯安定剤は歯科医師の管理下で「適材適所」を誤らなければ、補綴治療の補助的な役割として有効活用が十分可能であることも述べた。 義歯安定剤の目的は、義歯の維持安定を図り、食物の床下粘膜面への圧入を防ぎ、患者の満足度や心理的な安心を向上させ、ひいては咀嚼機能や食生活の向上へ繋げることである。しかし、義歯安定剤そのものには薬理作用は認められず、本来であれば「義歯安定材」と呼ぶべきものである。 また、日本では一般向けには「入れ歯安定剤」、医療はじめに

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