QDT11月
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各種装置・材料を用いたCAD/CAM冠の製作テスト 本年4月より、歯科用CAD/CAM装置を用いた小臼歯部の全部被覆冠の製作が、歯列模型をスキャンする間接法に限るなど、さまざまな条件はあるものの保険適用されるようになった。その詳細は、厚生労働省の「平成26年度診療報酬改定の概要」にて告示されている。 2014年7月末の時点で材料として認可されているのは、歯科切削加工用レジン材料としては硬質レジンブロックのセラスマート(ジーシー)、グラディアブロック(ジーシー、現在は受注生産)、松風ブロックHC(松風)、ラヴァ アルティメット ブルーマンドレル(3M ESPE,スリーエムヘルスケア)、アークティカ VITA エナミック(VITA Zahnfabrik,カボデンタルシステムズ)である(図1)。 以下に、筆者が今回行った製作手順を示す。まず、上顎右側第一小臼歯を支台歯形成したプラスチック製歯列模型(D18FE-500A-QF、ニッシン)を5メガピクセルのカメラを搭載した光学式スキャナー(3Shape Scanner D800,3Shape)でスキャンした(図2)。スキャンしたデータはCADソフト(3Shape Dental System 2012 Premium,3Shape)により、即座に点群データからポリゴンデータに変換される(図3)。この構築された3Dモデル(図4、5)上にクラウン形状をデザインし(図6)、対合歯と咬合するように調整した(図7)。その上で、製作した歯冠形状データを用いて保険適応材料ブロックの切削を試みた。 セラスマートブロックに関しては、CAMソフト(Aadva Software L-CAM Version 3.1.0、ジーシー)でミリングバーの動く軌跡であるCutter Locationの計算を行い、ミリングマシン(AadvaミルLW-I,ジーシー)で,冷却水を用いた湿式加工を行った(図8、9)。セラスマートブロッククラウンの設計推奨値は、セメント隙間0.01mm、追加セメント隙間0.040mm、マージンラインへの距離1.0mm、スムージング距離0.20mm、ドリル半径0.55mm、ドリル補正オフセット0.5mm、マージンラインオフセット0.1mm、オフ■今回用いた材料図1a、b 保険適応となった歯科切削用材料(a)。すべて外形はbのようなブロック形態となっている(本図はセラスマート セレック用、ジーシー)。ab

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