QDT11月
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94名古屋発!!今解決したい問題点への提言第2回:イボベースシステムにおける重合後の考察大竹裕之/スタディグループ:Ziel NAGOYA大阪大学歯学部附属病院総合技工室 大阪府吹田市山田丘1‐8はじめに 適正な下顎位と最適な咬合高径を与えることが義歯製作における最重要事項のひとつであると考えられている。さまざまな手技によって歯科医師が導き出した適正下顎位と最適咬合高径を、正確に義歯に反映するのがデンチャーを製作する歯科技工士の重要な役割のひとつである。その役割を担う工程のひとつとして重要視されるのが、義歯床用レジンの重合である。当然、この重合精度は精密な方が望ましい。 現在、この重合精度の向上を目指した、さまざまな義歯床用レジンや重合システムが発売されている。しかし、どんなにすぐれた義歯床用レジンや重合システムを用いたとしても、義歯床用レジンを重合した後は必ず変形する。粘膜面には被圧変位量が存在するため、微少の変形量は許容できると筆者は考えているが、できるだけ変形量は少ない方が望ましい。最近、筆者は臨床における自費の義歯の重合において、Ivoclar Vivadentより発売されている「イボベースシステム」を選択することが多い(図1)。現在、このシステムを応用し、重合精度のさらなる向上を目指して、試行錯誤しながら調査中である。この調査の中で、冷却方法の違いによる義歯床後縁部の変形量の差異を確認した。また、イボベースの経時的変化についても調査した。今回、スタディグループZiel NAGOYAの一員として発表する機会をいただいたので、これらのことを中心に報告させていただくことにする。図1 イボベース インジェクター。図2 艶出し研磨後の状態。非常に滑沢に仕上がる。図3 義歯床用レジンの容積減少率。重合後、 試験体を37℃の水中に浸漬させたキール大学の調査(参考文献8より引用)。 024684.491.090.531.390.923.183.084.754.344.846.946.65IvobaseHybrid容積減少率[%]Ivobase HighImpactIvocap HighImpactPalaXpress(Plaajet)Futura Gen(Futura Jet)Lucitone 199(Success)1日30日QDT Vol.39/2014 November page1714

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