QDT 2016年4月
5/8

48今度こそわかる! 接着システムの仕組みと使いこなし48CR修復における歯面処理の概念について第1回*1石川歯科 静岡県浜松市東区天王町1743 *2医療法人宝樹会 福西歯科クリニック 大阪府大阪市北区梅田2-5-25 ハービスPLAZA5F*3医療法人皓隆会 南歯科医院 大阪府大阪市北区西天満2‐6‐8 堂島ビルヂング1F鷲野 崇*1監修:福西一浩*2/南 昌宏*3/石川知弘*1はじめに ここ10~20年の間における接着歯学の進歩はすばらしく、近年の歯科修復治療に対して大きな影響を与えてきた(症例1、2)。しかし、それでもいまだ“完璧”な接着システムというものは存在していない1。pHや温度が変化しやすく、高湿度で、細菌が存在する口腔内という過酷な環境の中で接着修復を長期的な成功に導くためには、「どの材料を使うか?」よりも、術者が知識と技術を駆使して「その材料をどう使うか?」ということが重要である。 本連載では、歯面処理についての材料開発の歴史をひもとき、臨床において接着システムを適正に使うために必要な知識を確認したい。図1 接着修復の長期的成功に重要なことは?症例1(図2~9)根管治療後の上顎大臼歯に対して、コンポジットレジン(CR)で修復を行った症例。きちんと防湿を行うことから始まり、窩縁のエナメル質にリン酸エッチング処理を行うこと、窩洞全体にプライマー・ボンディングをしっかりと塗布すること等、すぐれた接着システムを確実に使いこなすために、術者が考えねばならない点は多い。症例2(図10~17)323に対してCRで歯冠形態をビルドアップした症例。接着を正しく使いこなすことで、補綴を避け、最小限の歯質切削のみで審美性・機能性を再構築することが可能になっている(※211はインプラント補綴を行っているが、本症例の全体治療経過詳細については「Quintessence DENTAL Implantology」2016年1号に掲載されているので参照されたい)。隔月連載接着システムの仕組みと使いこなし今度こそわかる!Aどの接着材を使うか?接着材をどう使いこなすか?<QDT Vol.41/2016 April page 0490

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

page 5

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です