QDT 2016年4月
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はじめに 長期にわたり審美修復分野で台頭したメタルセラミックスは、年々、その市場規模を縮小させており、代わってジルコニアセラミックスが高い伸びを示している。 CAD/CAMを応用したジルコニアクラウンでは、専用のポーセレンをレイヤリングすることで天然歯様の審美性を再現し、臨床上問題のない曲げ強度と靭性を活かしてさまざまなケースに対応してきた。ここ最近では、白色からカラードジルコニアへ、同時に透光性も高いものへと進化している。最近開発された、高透光性マルチレイヤードジルコニア カタナ®ジルコニア UTMLシリーズ・STMLシリーズ(クラレノリタケデンタル株式会社)は、これまでの同社シリーズのものよりさらに透光性を上げて、歯冠色ポーセレンの築盛を行わずとも審美的に満足できるフルジルコニアクラウンの製作を目指したものである。また、歯頚部から切端部にかけて色調の濃いものから薄いものへとグラデーションが付与されているため、ステインによる色調表現も色ムラが目立ちにくくなっている。 本稿では、上記材料の特性と使用上の注意点、そして臨床に即したステインテクニックについて述べる。山田和伸株式会社カスプデンタルサプライ/カナレテクニカルセンター愛知県名古屋市天白区梅が丘2‐1319

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