QDT 2016年7月
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121Part 3 (最終回):デジタルツールを活用したインプラント技工におけるさまざまなトピック121ステムをもっているのであれば、純正のカスタムアバットメントを用いるのが望ましいと考えているが、Part1でまとめたように、CAD/CAMシステムとしては、サードパーティーとして他社製のチタンやジルコニアのカスタムアバットメントの加工を行っているシステムもあるので、既製パーツしか用意していないインプラントシステムの場合にはとても重宝する。この際、注意すべきは削り出す加工ブロックの大きさであり、各メーカーによってブロックの形状と大きさは異なる(図4)。ブロックの範囲内に収まらないアバットメントを設計してしまうと、はみ出した部分がカットされた加工になってしまう(図5)。topic 1:カスタムアバットメント設計時の注意点 セメントリテイン式に用いられるCAD/CAMによるカスタムアバットメントは、チタン製かジルコニア製になる(図1、2)。近年多くみられるインターナル形状の接合様式をもつインプラント体へのアバットメントをジルコニアで製作する場合、接合部強度を確保するためにチタンベースを介在させる2ピースタイプのジルコニアアバットメントを用いることが多い(図3)。ただし、Part2で述べたスクリューリテイン式のものと同様に、チタンベースと接着するジルコニア面の厚みを最低でも0.6mm以上確保しておかないと、口腔内で十分な強度が保てなくなってしまう。 基本的にはインプラントメーカーがCAD/CAMシ図4 Aadvaカスタムアバットメント用ミリングブロック。図5 アバットメントミリング用ブロックは各社サイズが異なるので、それらを把握しておく必要がある。その範囲を超えてしまうと再現性を失うことになる。図1 接合部まですべてジルコニア製のアバットメント(右)と、チタンベースを用いた2ピースアバットメント(左)。図2 インターナルコネクションのアバットメントは、ネック部に過度な応力がかかると破折のリスクが高い。図3 2ピースアバットメント。インプラントとの接合部がチタンなので適合と強度面で優れるが、チタンベースとの接着面のジルコニアの厚みを確保しなければならない。45QDT Vol.41/2016 July page 1001

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