QDT 2016年11月
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Segment VSegment VSegment IVSegment IVSegment IISegment IISegment ISegment ISegment IIISegment IIIFeature article #2 読者の方々は咬合に対してどのようなイメージをもっておられるだろうか? 「自分の仕事には関係ない」「難しくて良く分からない」「マニアックな感じがして面白そうじゃない」「何から勉強したら良いのか分からない」などが多いのではないかと推測する。もちろん咬合に興味をもつ歯科技工士の方々も多数いるとは思うが、特に若い歯科技工士の方々にとっては、咬合は縁遠い話に聞こえるのではないかと思われる。 しかし、日常臨床においてわれわれ歯科技工士が製作しているデンチャーや多数歯欠損に対する補綴物はもちろん、審美領域である前歯部や少数歯欠損のクラウンやインレーにも、ほとんどの補綴物に必ずと言っていいほど咬合は関与している。そのため、多くの歯科技工士が日々咬合にかかわりのある補綴物を製作しているはずである。元ウィーン大学教授のDr. R Slavicek は「私たちが仕事のフィールドとしている顎口腔系はMasticatory Organ(咀嚼器官)であり、これはMastication (咀嚼)、Appearance(審美性)、Speech (発音言語)、Respiration(呼吸)、Posture(姿勢)、そしてStress Management (ストレス発散)に至るまで、さまざまな機能に関与している」と提唱している。そのように考えると、われわれ歯科技工士が製作している補綴物は、とても重大な役割があるのではないかと考えられる。 ドイツの歯科技工士であるZT Dieter Schulz氏は補綴物を製作する上で重要な目的を、「解剖学に基づき、機能的にも自然(天然歯)と調和した干渉のない補綴物を製作することにある」としている。そのためにFunctional 長谷川篤史 -Atsushi Hasegawa-Organ Dental Lab神奈川県茅ヶ崎市東海岸北3‐10‐56はじめに

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