QDT 2016年12月
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98QDT Vol.41/2016 December page 1748 本項では、これまで解説してきた内容をベースに、実際に上下顎第一大臼歯のワックスアップをするうえでどのように応用していくのかを解説したい。 上下顎第一大臼歯の歯牙のポジションが一歯対二歯の咬合状態において、下顎の第一大臼歯の遠心頬側咬頭が上顎の第一大臼歯の中心窩に嵌合し、上顎の第一大臼歯の近心舌側咬頭が下顎第一大臼歯の中心窩に嵌合した場合、Ⅰ級関係となる。このような咬合状態にあるときのコンタクトポイントを右図の①から⑨に示す。 ZT Dieter Schulz氏のNATのワックスアップのテクニックにおいては、これらのオクルーザルコンタクトから各運動においてのコントロールを細かく理解したうえでワックスアップに応用するが、今回は歯牙、特に上下顎第一大臼歯における解剖学形態と下顎運動の咬合面においての軌跡であるオクルーザルコンパスの関係性において述べているため、この考えについてはまたの機会に述べたい。ワックスアップへの応用①②②③④⑤⑥⑦⑧⑨①②③④⑤⑥⑦⑧⑨各セグメントを作るまでの前準備▲オクルーザルコンパスを描く上 顎下 顎▲ワックスコーピング上 顎下 顎図1a、b 内面ワックスやクラウンワックスを使用し、初めにワックスコーピングを製作する。この際、頬舌的な被蓋関係や近心的な支台歯のポジションを考慮する必要がある。図2a、b 上顎の近心舌側咬頭が嵌合する下顎の中心窩と、下顎の遠心舌側咬頭が嵌合する上顎の中心窩より、各運動の軌跡であるオクルーザルコンパスをワックスコーピング上に明記する。ababFeature article ♯2

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