QDT 2017年3月
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99南米・コロンビアで開業して ―日本の技術が生きる、その場所で―99主的なもので、責任感から休みがなくてもそれが当たり前だと思っていました。また高い給料も得ていたので、それが崩れるのが怖かったということもあります。長期間仕事を休んでしまえば、仕事量が減らない自信はありませんでしたので、もしコロンビアに行くとなれば、それは移住しかないという意味でした。しかし、行き先は地球の反対側で、しかも開発途上国。この移住には、本当の意味での「覚悟」が必要でした。 現在、弊社DLA Colombia S.A.S.(デ エレ ア コロンビア)株式会社(図1)の事業セグメントは4つあります。 インターネットと書籍からコロンビアの情報をかき集め、持ち家を売却し、会社の退職準備をし、パスポートとビザの申請を急ぎました。コロンビア大使館側の手続きミスがあり、ビザの取得が出国2日前というハプニングもありましたが、2012年1月にコロンビアに移住することができました。 コロンビアでの最初の3ヵ月間は何もせず、ただ生活をしていました。当初はこの国で歯科技工をする予定a. ラボラトリー事業b. 直接医療事業c. 歯科技工学校d. 歯科医師向け「マスタークラス」はまったくありませんでしたが、どこかへ出かけるたびに歯科医院や歯科技工所が目につくようになり、そこで働く人たちと話をするようになりました。その後適当に機材を買い、趣味で義歯を作ってみました。2012年の5月12日、できあがった義歯を妻に見せ、「これを持って、近くの歯科医院に行ってみな」と言いました。これが、私がここコロンビアで歯科事業を始めるに至った簡単な経緯です。 行っていることは、同じ「可撤性義歯製作」でありながら、各セグメントのメインターゲットはすべて違います。うまく時間を調整しながら4図1a、b 社内の様子。ここでは新商品の販売にあたり、歯科医師をお招きして説明会を行っている。“歯科後進国”で歯科技工を教えるabQDT Vol.42/2017 March page 0487

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