QDT 2017年4月
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27レーザーシンタリング技術を用いたコーヌステレスコープデンチャーの製作27 デジタルデンティストリーの世界はこの数年で長足の進歩を遂げており、クラウン・ブリッジはもちろんフルデンチャーもまた3Dプリンティングの技法で液体のレジンを硬化させるタイプのDENTCA(DENTCA Inc. 図1)やレジンブロックを削り出すタイプのAVADENT(Global Dental Science, LLC、図2)など、デジタルの時代に突入してきており、筆者もすでに数症例を経験している。 こうした中、筆者はコーヌステレスコープデンチャーのフレームワークの製作において、クラウン・ブリッジの領域で用いられてきたレーザーシンタリング(レーザー粉末焼結)技術(以下、本文中ではレーザーシンタリングとする)を5年ほど前より臨床に応用してきた。コーヌスクローネの外冠フレームをレーザーシンタリング法で製作することで副模型が不要となり、加工にはレーザー光の焦点を用いるため精度が高く、自由なデザインと高密度な物性による安定した物性を得ることができる。本法は、従来の鋳造によるフレームワークと比較した際の強度や物性に疑念がもたれることもあったが、各種の研究からその不安も払拭されている。今回、近未来のパーシャルデンチャー製作において有力な選択肢となりうるレーザーシンタリング法について実際の症例を交えて紹介する。はじめにすでに実用化が進むデジタル総義歯の例図1a、b DENTCAのStarter kitおよび3Dプリンタ装置(a、DENTCA社資料より引用)と、DENTCAを利用して筆者が製作した総義歯(b)。図2 AVADENTを利用して筆者が製作した総義歯。abQDT Vol.42/2017 April page 0581

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