QDT 2017年4月
7/8

84QDT Original Article84業領域が小さいものもあれば、模型装着後の技工作業の効率を考えて作業領域を大きくしたものもある。関節機構の形態も、コンダイラー・タイプや、アルコン・タイプ、その他にも回転軸そのものの軸受けをスライドさせるものなど、さまざまな方法を採用している。 平均値咬合器とは、生体がもつ矢状顆頭傾斜角や側方顆頭傾斜角などの角度を咬合器に普遍的な平均的角度として設定し、咬合器の運動を平均的な動きとした非調節性咬合器である。  平均値咬合器にもさまざまなものがある(表1)。作平均値咬合器の構成要素02表1 筆者が所有している平均値咬合器。現在は販売されていないものも含む。*顆頭柱(顆路誘導釘)間距離。商品名Artex-CNStratos 100whip mix 99Gysi Simplex OU-H3デンタル・ホビーL咬合器販売・製造Amann Girrbach,白水貿易Ivoclar Vivadentwhip mix,東京歯科産業コマツ,モリタシオダ,モリタ試験体1インサイザル・ピンの有無有有有有有顆頭間距離110mm108mm80mm100mm*105mm上下間距離126mm118mm95mm90mm100mm矢状顆路傾斜角35°30°30°30°25°側方顆路傾斜角15°15°015°15°後方運動無有無有無セントリック・ラッチ顆頭軸をレバーでロックするタイプ顆頭軸をレバーでロックするタイプ板バネにて抑えるタイプ板バネにて抑えるタイプ板バネにて抑えるタイプ関節機構コンダイラー・タイプアルコン・タイプコンダイラー・タイプアルコン・タイプアルコン・タイプ模型の装着方法スプリット・キャストマウンティング・プレートスプリット・キャストスプリット・キャストマウンティング・プレート著者コメント上下間距離が126mm と高く、作業スペースを大きくしている。主軸アームにカーボン素材を使用しているので軽量であり、約60°の傾斜を付与しているので前歯部の作業性が良い上下間距離が118mm と高く、咬合器のサポート用に45°の角度で保持できるアーム(インクラインサポート)を設け、作業性を良くしている。また、後方運動(35°)も対応している前方下面に咬合器を傾斜固定するサポート・ロッドがあり、技工作業の際に便利である顆路誘導針により、ベネット運動の後方運動を行う従来のものより上下間距離が14mm高く設計され、模型の装着がより行いやすいQDT Vol.42/2017 April page 0638

元のページ  ../index.html#7

このブックを見る