QDT 2017年5月
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要約 このシリーズの第1部は、臼歯部における接着性間接修復の最新の根拠と治療方法を、現在の最良の科学的かつ長期臨床的なエビデンスに基づいて提示することを目的とする。 治療コンセプトは以下の基本概念に基づいている。①接着性ベース/裏装材の使用(デュアルボンディング〔DB〕と窩洞形態の最適化〔CDO〕)と、②必要に応じて、深い歯頚部マージンの位置を改善し同時に再設定する(歯頚部マージンの再設定〔CMR〕)ことで、③印象採得に先立ち、より保存的な形成を可能にし、その後の臨床手順を簡単にする、④高フィラー配合の光重合型合着材(コントロールされたセメント接着〔CAC〕)を使用し、補綴物を装着する際の補助操作として音波または超音波を使用するかセメントを加温する。 このプロトコールにより、術者がたびたび経験する、歯冠色のインレー・アンレーの形成、対象歯の隔離、印象採得、セメント合着における困難を取り除くことができる。物理的・化学的性質および取り扱い特性に関して、すべての状況において最適で信頼できると証明されている材料は存在せず、セラミックスとコンポジットレジンにのみ、このプロトコールは使用可能である。エナメル‐象牙質複合体のいまだ非常に不完全な複製でしかないが、当面われわれは、モノリシックな間接修復物を生体代替物と見なさざるを得ない。

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