QDT 2017年5月
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8383ワークを主とするテクニシャン(以下デンチャーテクニシャン)に分かれているのも事実である。だが、その専門性から、クラウンワークの知識に特化したテクニシャンが、チェアサイドの欠損補綴診断より導かれ、パーシャルデンチャーを機能させるためのKeyとなるサベイドクラウンを製作するのは困難であろうと思われる。左右歯列を一体で考え、サベヤーを駆使した計測をもとに、上下の歯列弓の安定を考慮して導かれるはずのサベイドクラウンが、“木を見て森を見ず”とならないようにしなければならない。筆者も含めてクラウンワーク、デンチャーワーク双方の知識をもって臨床を行うテクニシャンもいるが、臨床の現場では同じラボ内においてもそれぞれの部門のテクニシャンが仕事を分担しているラボが多いのが実状であろう。サベイドクラウンとパーシャルデンチャーを製作するテクニシャンが別の場合、サベイドクラウンは歯科医師を中心にクラウンテクニシャンとデンチャーテクニシャンの知識共有と綿密な情報交換が必要であると筆者は考える。またパーシャルデンチャーを製作するデンチャーテクニシャンが、パーシャルデンチャーデザインのアウトラインからトップダウンしたサベイドクラウンの軸壁およびレストなどの設定をクラウンテクニシャンに正しく伝達することが機能するパーシャルデンチャーへの重要な一歩になるのではないかと考える。要はサベイドクラウン製作時からパーシャルデンチャーの設計が始まっているのである。 本稿ではサベイドクラウンの製作について、筆者が臨床や研修会でよくクラウンテクニシャンから質問される事項と、サベイドクラウンの製作のために知っておいていただきたいことをまとめた。クラウンのススメ(前)QDT Vol.42/2017 May page 0779

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