QDT 2017年7月
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「VR矯正」とは何か?―オープン3Dシステムがひらく自由度の高い矯正治療―105 近年の歯科業界における3D技術の導入は、質的にも量的にも加速度的に進んでいる。 とくにCAD/CAM冠の健康保険導入は3D技術を臨床応用することの恩恵を広く知らしめるきっかけになったといえる。今期の導入こそ見送られたが、今後予測される「口腔内光学印象加算」(仮称)の健康保険導入はさらにこれらの動きを加速させるものと考えられる。 また、CERECシステム(図1、デンツプライシロナ)は以前より歯科技工所用のinLabシステム経由でSTL(Stereolithography)データを出力することができたが、このたびオープンシステムとしてダイレクトにSTLデータの出力を可能とすることが、さる3月にドイツで開催されたIDS(International Dental Show)に続いて日本国内でも発表され、今まで500件程度であった国内の口腔内3Dスキャナーが一挙に1,500件も増加した。 これにより3D技術の臨床応用の可能性は飛躍的に高まり、われわれ臨床医も「知らない」「わからない」では済まされない立場になってきた。 CAD/CAM冠やジルコニアの例に見るように、補綴分野においては浸透が進む3D技術だが、もちろん他の分野への応用も進んでおり、インプラント埋入におけるサージカルガイドの設計・製作(図2)、上部構造の製作なども3D技術を応用することによって従来の方法とは精度・時間ともに比較にならないほど高度なものとなっている。 矯正の分野でも歯列の3Dデータを基に解析・シはじめに図2a、b インプラント埋入用サージカルガイドの設計と製作の例(ストローマンガイドソフト使用)。図1a、b CERECシステム(本図はデンツプライシロナ社資料より引用)。bbaaQDT Vol.42/2017 July page 1125

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