QDT 2018年1月号
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37チームワーク座談会 今ふたたび、総義歯のチームワークを考える(前)37 2006年、「QDT」が「歯科医師と歯科技工士のコラボレーション」を誌面上で大きく打ち出して以来、早くも11年あまりの時間が経過した。この間、歯科医師と歯科技工士の「コラボレーション」あるいは「コミュニケーション」という言葉は歯科界で一定の地位を占めるようになり、「QDT」として微力ながら貢献できたものと自負しているが、取り上げられてきた内容は主にクラウン・ブリッジ領域におけるシェードセレクションやサブジンジバルカントゥアの設定などの話題がほとんどであり、義歯に関するものは少なかった。そもそも義歯の分野にはクラウン・ブリッジとくらべて執筆者、中でも歯科技工士の執筆者はとくに少なく、こうした企画を立ち上げるには困難がともなってきた。 しかしこうした中、阿部二郎氏による団体「阿部二郎勉強会」→「Japan Denture Association」→「Japan Plate Denture Association」は歯科医 阿部二郎氏が提唱する「下顎総義歯吸着テクニック」は、氏自身はもちろん、これを学んだ著名臨床家たちの活躍により常識の域にまで達し、臨床家そして患者への福音となった。そして現在では、本テクニックの難症例への応用に注目が集まっている。そこで本書では、下顎総義歯吸着テクニックの基礎はもちろん、Angle ClassⅡ、ClassⅢの難症例への対応法を解説。また、審美的総義歯の製作にも言及。総義歯治療に携わる歯科医師・歯科技工士必携の書となった。本書の目次を以下に示す。Part 1 序論Part 2 すべては、簡単な口腔診査から始まる Intra Oral ExamnationPart 3 総義歯治療成功の鉄則師・歯科技工士がともに分け隔てなく育つことをコンセプトとし、他の団体に類をみない教育的な活動をこの10年あまりにわたって行ってきた。その結果、多くの「書けて、話せて、臨床がうまい」歯科医師と歯科技工士を輩出し、講演、執筆も多数となった。さらに、2017年11月にはそのデンチャー分野における「コラボレーション」の集大成ともいえる新著「下顎総義歯吸着テクニック ザ・プロフェッショナル」(図1)も上梓され、今後の展開に期待が集まっている。 そこで本企画では、「QDT」がこれまで辿ってきた上述の経緯、また新著の内容と著者一同のコミュニケーションの実際についてご紹介するべく、2018年の初頭を記念する企画として「総義歯における歯科医師と歯科技工士のコラボレーション/チームワーク」について、ご対談をお願いした。(編集部)Part 4 臨床実践1 簡単症例・ClassⅠで良好な顎堤と安定した下顎位をもつ症例Part 5 臨床実践2 上下顎難症例・ClassⅡ -division2で上顎フラビーガム&強度の下顎顎堤吸収をもつ症例Part 6 ClassⅡ- division1の義歯製作方法Part 7 顎機能障害をともなった ClassⅢの義歯製作方法図1 書籍「下顎総義歯吸着テクニック ザ・プロフェッショナル ─ClassⅠ/Ⅱ/Ⅲの臨床と技工、そしてエステティック─」(阿部二郎〔監著〕/岩城謙二/須藤哲也/小久保京子〔著〕、クインテッセンス出版)【企画趣旨】【書籍「下顎総義歯吸着テクニック」について】QDT Vol.43/2018 January page 0037

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