QDT 2018年1月号
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口腔内スキャナーで完成するデジタルデンティストリーの現在97TRIOS3のスペックと外観はじめに 現在、さまざまなメーカーの口腔内スキャナー(IntraOral Scanner:IOS)が出そろい、すでに使用されている方も多いかと思う。しかしその一方で、購入後うまくスキャンできない、咬合が合わない、マージンが合わない、などといった現象に対するさまざまな考察も飛び交っており、まだまだ日常臨床においてはアナログ印象に軍配が上がることが現実として多い。 しかし、現在の口腔内スキャナーは着実にステップを守って使用することで十分なポテンシャルを発揮することができる。また、口腔内スキャナーの使用があまりにも簡単なように錯覚したまま購入することで、そのギャップにとまどう方々もおられるように思う。 そこで今回は、筆者らが導入している口腔内スキャナーの中から現在使用頻度の高いTRIOS3(3Shape)を上手に活用するための、カタログやデンタルショーからだけではわからないワークフローを、日常臨床の中からご報告させていただきたい。TRIOS3について まずはTRIOS3のスペック表と外観をごらんいただきたい(表1、図1a)。 TRIOSについて特筆すべき点は、1秒間の撮影枚数の多さと、オーラルスキャンデータを多様な方式でCADデザインソフトにエクスポートできるということである。 撮影方式はVideo sequence(連続写真撮影構築)となり、スキャンスピードが比較的速い。そのため、印象採得にかかる時間はアナログ印象に比べて1/3以上の短縮が望める。 また、スキャンヘッドからの焦点距離が0~18mmのため(図1b)、開口量が少ないケースでも読み込め、オートクレーブがかけられることも特長のひとつである。 それでは以下に、TRIOSによるスキャンおよびその後の活用方法の分類を紹介したい。図1a、b TRIOS3(DIO Digital Co.)。表1 TRIOS3のスペック。abQDT Vol.43/2018 January page 0097

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