ザ・クインテッセンス3月
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3MI DentistryScience Materialが可能にしたNew TrendsNew Trendsthe Quintessence. Vol.30 No.3/2011̶0483この写真の症例で得られた大きな恩恵とは……? 歯に接着する材料の開発と臨床応用により,う蝕治療において修復物保持のために必須であった健全歯質の削除が不要になった.そして歯質に対する接着の信頼性の向上とともに,接着歯科治療は大きく発展し現在に至っている. 接着歯科治療というと,どうしても「歯科材料を歯質に保持するための接着」ということにのみ注目しがちである.しかし,接着歯科治療から私たち歯科医師と患者が得るもう1つの大きな恩恵は,接着材料による「歯質と歯髄の保護」である. 本来エナメル質やセメント質に保護されている象牙質は,う蝕,歯周病そして歯科医師による歯の切削などで口腔内に露出してしまう.中胚葉由来の組織である象牙質が外界にさらされるのだ(他の組織であれば非常に痛々しい,あるいは危険な状態であることは容易に想像できる).レジン接着材は,この露出した部分を上皮の代わりに被覆そして封鎖し,外界と遮断してさまざまな刺激や細菌感染から守ってくれるのである.MIDentistryScience Materialが可能にしたNew TrendsNew Trendsキーワード:MI,コンポジットレジン修復,接着鶴見大学歯学部歯科保存学第一講座連絡先:〒230‐8501 神奈川県横浜市鶴見区鶴見2‐1‐3秋本尚武露出歯面の封鎖を可能にした接着歯科治療01

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