ザ・クインテッセンス3月
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STEP UPLecture for Dentist MTM編STEP UP歯科医師に学んでほしい基本治療のポイントを症例写真やイラストを用いて,わかりやすく解説.Lecture for Dentist MTM編192the Quintessence. Vol.30 No.3/2011̶0672MTMの移動様式と適応症 MTMのおもだった移動様式と適応症を以下にまとめる.福島県開業 小滝歯科医院連絡先:〒971‐8111 福島県いわき市小名浜大原小滝町6‐2キーワード:MTM,移動様式,メカニズム,最適矯正力,適応症渡辺隆史連載をはじめるにあたって 歯列不正はさまざまな歯科治療に障害をもたらすため,矯正治療を含めた一口腔単位の治療を実践することは,治療の予知性を高めるうえできわめて重要である.近代(現代)歯科医療の潮流は,低侵襲治療にあるといっても過言ではない.矯正治療を取り入れることによって,補綴的な介入範囲を少なくすることができれば,一見複雑にみえる症例が単純な治療ですむことも少なくなく,真の低侵襲治療が実現することになるだろう. しかしながら矯正治療は,その特殊性からか,臨床経験の浅い先生にとってはもっとも取り組みにくい治療法の1つになってしまっている.本連載では,一般臨床医が矯正治療を行うに際して,矯正専門医との連携治療を視野に入れたうえで,どこまでを部分矯正(minor tooth movement:以下,MTM)の範疇で行えばよいか,その適応症を理解し,診断に則った確かな治療を行うための基礎をまとめてみたい.point どこまでMTMの範疇で行えばよいか,診断が大事.低侵襲な治療のために生かすMTM─全4回─1MTMの基本適応症▼歯肉縁下う蝕▼歯根破折▼パーフォレーション▼歯間乳頭の退縮(ブラックトライアングル)▼インプラント抜歯即時埋入①挺出(extrusion)3・6・9・12月号掲載1a1b歯根破折した1を「挺出」させた.点線部まで退縮していた歯槽骨を再生させ,その後の治療の予後を向上させることができる.

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