ザ・クインテッセンス12月
1/8

3the Quintessence. Vol.30 No.12/2011̶2625歯科用ユニット水ラインの細菌の存在は許されるのか? 歯科治療において歯科用ユニットの給水系はなくてはならないものである.タービンや電気エンジンで口腔内において歯や金属を削るとき,注水がなければかなりの熱が発生し,生活歯では歯髄に強い障害が生じるし,焼け焦げたにおいの発生や金属切削片の飛沫などで診療室の衛生環境が非常に悪くなる. 歯科用ユニットの給水系は水道水である.家庭での蛇口から出る水道水は基本的にほとんど細菌が存在しないが,歯科用ユニットの給水系にはかなりの数の細菌が存在している(02).これは主に給水系の残留塩素の減少と,給水系チューブ内面に形成されるバイオフィルムが原因である.ただし存在している細菌は病原菌ではなく,水道水中の水生菌であり,健康な人には無害とされている.ここで,われわれ歯科医師は考えることになる.無害ではあるが多くの細菌を含んでいる水を歯科用ユニット水として,患者の口腔内に注水することが許されるのであろうかと.キーワード:歯科用ユニット水ライン,細菌汚染,バイオフィルム東京医科歯科大学医歯学教育システム研究センター連絡先:〒113‐8510 東京都文京区湯島1‐5‐45荒木孝二タービンの水きれいですか?Security inDentistry歯科医療を求めてより安全な0102

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer9以上が必要です