ザ・クインテッセンス2月
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THE VERIFICATION今まで行われてきた治療法について,長期経過症例・文献をもとに,その適応と効果を「検証」し,さらに今後の展望を考察する.検証の時代はじまる 審美歯科修復治療の成功要件の1つに,歯間乳頭の状態があげられる76,77.歯間乳頭の欠如は,審美障害になることはもちろん,発音上の問題,食片圧入などの問題が生じる可能性がある.歯間乳頭の再建に関しては,これまで外科的78,79,矯正的80,81そして補綴的82,83なものを含めて数多く報告されている.それらの術式を行う前に,必ず十分な診査・診断が必要となる. 前回は,クラウンカントゥアに関与する補綴装置のマージン設定位置,カントゥアに関する考え方,カントゥアの評価法としてのカントゥアガイドライン,そして,歯肉縁下カントゥアを利用したジンジバルスキャロップへの対応について考察した.さて,後編では,以下の事項について文献と症例を通して考察する.コンタクトエリア ここではまず,歯間乳頭そのものでなく,上顎前歯隣接面コンタクトの形態について考える.Adlfi は前歯における隣接歯の接触は,点ではなく面であり,その範囲は隣接面における補綴装置のマージンより2~3mm歯冠側に至る(図1a).また,コンタクトエリアの切端側は,中切歯,側切歯,犬歯と移行するにつれ歯頸部方向に移動すると報告してい京都府開業 きばやし歯科医院連絡先:〒617‐0826 京都府長岡京市開田1‐21‐21木林博之The Interface of Restorations and Periodontal Tissue:Interdental Papilla Management and Proximal ContourHiroyuki Kibayashiキーワード:歯肉の炎症,歯間乳頭,歯間隣接面距離,サブジンジバルカントゥア,カントゥアのトランスファー補綴装置と歯周組織の接点(後編)──歯間乳頭と隣接面カントゥアの関係を検証する1.歯間乳頭の存在に影響を与える要因① 歯間乳頭の存在に影響を与える要因② 歯根間距離が狭い場合と広い場合,それぞれのブラックトライアングルへのマネジメント③ プロビジョナルレストレーションにて決定された歯肉縁下カントゥアの最終補綴装置へのトランスファーの方法95the Quintessence. Vol.31 No.2/2012̶0341

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