ザ・クインテッセンス2月
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話題の歯科器材・材料の紹介.あるいは症例や治療法に即した適材適所の材料選択のツボを解説.131金澤 学/岩城麻衣子/野村直之*/塙 隆夫*/水口俊介はじめに 従来,工業界では製品の設計図は手書きで行っていた.設計したものは製品を製作する前に,二次元の紙上の設計図から三次元的な立体形状を試作し確認を行わなければならない.そのために,手書き設計図から粘土や紙を用いて製品の試作品をつくっていた.その後,金型を製作し金属を流して最終製品をつくっていた. しかし,現在ではコンピュータを用いて設計が行われている.設計のデジタル化に伴い,試作品づくりも最終製品づくりもコンピュータにより機械化され始めた.これらの技術は,“CAD/CAM”という名前で,歯科界にも応用され始めている.本稿では,そのなかでも進化の著しい「レーザー積層造形法」に焦点を当てて説明する.1.“CAD/CAM”ってナンだ? “CAD/CAM”とは,Computer Aided Design/Com-puter Aided Manufacturingの略で,直訳すると「コンピュータ支援設計/コンピュータ支援製作」ということになる.始めに述べたようにコンピュータで設計して,コンピュータで制御された工作機械を使ってもの作りを行うということである. この“CAD/CAM”のなかでも,CAM(コンピュータ制御でモノをつくる方法)は大きく2つの方法に分けられる.一方は「引く造形」,他方は「足す造形」といわれるものである.両者を例えていえば,前者は彫刻のようにモノを削りだしてつくる方法であり,後者は粘土細工のように盛り足して足してつくる方法である(図1). 「引く造形」はマシニングセンタといわれる工作機械を用いる.このマシニングセンタにブロック状の材料を設置し,CADでデザインした形状を入力すると,カーバーイドバーのような加工器具により完キーワード:CAD/CAM,三次元造形技術,レーザー積層造形法補綴物製作の未来を切り開く「レーザー積層造形法」ってナンだ?東京医科歯科大学大学院 医歯学総合研究科 全部床義歯補綴学分野*東京医科歯科大学 生体材料工学研究所 素材部門 金属材料分野連絡先:〒113‐8549 東京都文京区湯島1‐5‐45Manabu Kanazawa, Maiko Iwaki, Naoyuki Nomura, Takao Hanawa, Shunsuke MinakuchiHow to Apply the Selective Laser Melting to the Prosthodonticsthe Quintessence. Vol.31 No.2/2012̶0377

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