ザ・クインテッセンス2月
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マイクロ導入までに若手Drが習得すべき6ステップ─ここまでやろう! 歯内療法マイクロ導入までに若手Drが習得すべき6ステップここまでやろう! 歯内療法150FUNDAMENTAL COMPREHENSION連載にあたって マイクロスコープ,Ni-Tiファイル,コーンビームCT(CBCT)などにより,歯内療法は大きく変化している.われわれ歯内療法専門医(Endodontists)は,これらの機材を日々の臨床で使用しているが,残念ながらこれらの機材を使用したからといって治療成績がすぐに向上するわけではない.マイクロスコープを使用しても,器具が滅菌されていなかったり,根管治療中に細菌を含んだ唾液が根管内に流れ込んでいたり,Ni-Tiファイルを使用しても,その前にglide pathが適切に行われていないために根管を逸脱した根管形成となっていたり,CBCTを使っても読影が十分できなかったり,またデンタルエックス線写真の読影でも十分な情報を得られる場合もある.つまり,“基本”となる部分が欠落していたのでは歯内療法はうまくいかないのである. 本連載では,あえて最新の機材(器材)の使い方などに触れず,マイクロスコープも,Ni-Tiも,CBCTもないけれど,毎日難しい根管治療を行っている若い先生方に,“まず行わねばならない歯内キーワード:根管治療後の痛み,問診,診査法澤田則宏*/吉川剛正*1/田中利典*2* 東京都開業 澤田デンタルオフィス/*1けやき歯科桜台診療所/*2川勝歯科医院*連絡先:〒160‐0004 東京都新宿区四谷1‐18What Kinds of Examinations should We Do on Diagnosis?Norihiro Sawada, Gosei Yoshikawa, Toshinori Tanaka根管治療後に痛みがとれない,どうする?ステップ1(全6回・隔月連載)療法の基本”についてまとめてみたいと考えている.実は,歯内療法専門医はこの“基本”をとても大切にしている.この連載が若い先生方の治療に役立ってくれることを願っている.根管治療後に痛みがとれない,どうする? 痛みの原因は患歯の歯髄炎もしくは根尖性歯周炎であろうと判断し,根管治療を開始したものの,痛みがとれず困ってしまう症例に出合うことがある.なぜこの症例では痛みがとれないのか? 症例ごとにさまざまな原因が考えられるが,今回は「痛みの原因について,診査の段階で何を診るべきか」という点から考えてみたい. まず,痛みを訴えて来院した患者に何を行っているか.患者が「奥の歯が痛い」と言ったからといって,いきなり歯を削ることはしていないだろうか? しっかり診査・診断をし,治療内容を説明したうえで患者の同意を得てから治療を開始しているだろうか? では,診査項目について解説しながら,症例をみていこう.the Quintessence. Vol.31 No.2/2012̶0396

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