ザ・クインテッセンス3月
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101乳歯列期に現れた異常を見逃さない 前回(1月号)では,われわれが目指すべき咬合状態とはどういうものか,またそのような咬合になるためには乳歯列期からの正しい成長過程があることを述べた. しかし,実際に診療室で子どもたちの成長発育を見ていると,そのように成長していく子どもは少なく,途中で何らかの異常がでてくることが多い.歯列不正がある成人の口腔内を観察すると,どうしてこのような状態になってしまったのかと首を傾げてしまうことがある.いろいろな原因が複雑に絡み合った結果が口腔内に現れているのであるが,その原因については想像する以外にない. 一方,乳歯列から子どもたちの成長発育を見ていくと,成長のある段階で現れた異常が,そのまま永久歯列の歯列不正につながっていくことがわかる症例が多くあり,なぜそのような咬合状態になったのかの原因がわかる.その原因はさまざまであるが,それらを1つひとつその時点で改善していくことで正常な永久歯列に導くことができる症例が数多くあり,現れた異常には早期に対応するべきであると考えるようになった.その正常咬合への発育を妨げる因子のなかには,一般開業医で対応可能なものとそうでないものがあるが,今回は前者を中心に述べてみたい.須貝昭弘キーワード:正常咬合,成長発育,スペース不足,萌出の異常,習癖,態癖子どもたちをう蝕・不正咬合から守る!2正常咬合への成長発育を妨げる因子神奈川県開業 須貝歯科医院連絡先:〒212‐0016 神奈川県川崎市幸区南幸町2‐8‐1 オーベル川崎101号連載the Quintessence. Vol.31 No.3/2012̶0581

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