ザ・クインテッセンス2012年4月
1/8

口腔と周辺領域まで臨床にたすべき診断の目口腔と周辺領域まで口腔と周辺領域まで臨床にたすべき診断の目臨床にたすべき診断の目口腔と周辺領域まで口腔と周辺領域まで臨床にたすべき診断の目臨床にたすべき診断の目3頬粘膜の恐怖──ただの口内炎じゃないの?頬粘膜の病態への診断を疎かにしてはいけない 頬粘膜は,前方を口角,上下を上下顎歯肉との移行部,後方を咽頭側壁で境される領域である.表面は非角化重層扁平上皮で被覆されており,軟らかく平滑である.上皮下結合組織のなかには,脂肪細胞や小唾液腺が散在し,さらにその深部に筋組織が存在する.また,上顎第二大臼歯の頬側面に接する位置に耳下腺管(ステンセン管)の開口部が存在する. 頬粘膜には癌を含めてさまざまな粘膜疾患が生じる.頬粘膜癌は口腔癌全体の約10%に過ぎないが,良性の粘膜疾患の多くが頬粘膜を好発部位とするため,良性病変と思い込んでうっかりと悪性病変や前癌病変を見過ごしてしまう可能性がある.Questionうっかり見落としてしまう頬粘膜疾患の所見とは?河野憲司大分大学医学部歯科口腔外科学講座連絡先:〒879‐5593 大分県由布市挟間町医大が丘1‐1キーワード: 頬粘膜,癌,前癌病変,口腔扁平苔癬,口腔カンジダ症正常像症例1症例2症例3症例41a2a3a4a疾患がある頬粘膜 白色病変・赤色病変・びらん・潰瘍性病変正常な頬粘膜 27歳男性の頬粘膜.頬粘膜は非角化重層扁平上皮で覆われており,表面が平滑.粘膜下には小唾液腺が散在する.矢印:耳下腺管開口部.the Quintessence. Vol.31 No.4/2012̶0709

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer9以上が必要です