ザ・クインテッセンス2012年4月
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44はじめに 昨今,歯科治療の知識・技術・材料の進歩には非常にめざましいものがあり,一昔前には治療が困難であった症例に対し,さまざまな術式が予知性の高い治療オプションとして日常臨床において応用されてきている.国内外の講演会や論文などにおいて,治療術式の利点・欠点,適応症・禁忌症など,それぞれの術式の特徴がわかりやすく整理・紹介され,一定のトレーニングを積む必要はあるものの,それらの理解・習得が比較的容易にできるようになってきた.その結果,治療の恩恵を享受し,疾患で失われた機能と審美を回復し,自信と笑顔を取り戻す患者が増えることは歯科医師の大きな喜びの1つであると思われる. しかし,一方,治療術式が増え,選択し得る治療方法が多岐にわたれば,それだけ治療計画について患者と十分に話し合い,決定した治療目標に向かって,患者一人ひとりに適切な方法を選択し,正しい順番で施術することの重要性が非常に大きくなって外科・非外科論争の時代は終わった特別企画*1貴和会歯科診療所連絡先:〒532‐0003 大阪府大阪市淀川区宮原3‐4‐30 ニッセイ新大阪ビル9F*2銀座ペリオインプラントセンター連絡先:〒104‐0061 東京都中央区銀座6‐9‐8 銀座UKビル7FAppropriate Treatment Procedure for an Individual PatientTakeshi Sasaki, Kimio Nakamura, Yoshihiro Ono個々の患者に応じた治療術式の選択佐々木 猛*1,2/中村公雄*1/小野善弘*2キーワード:治療術式の選択,重度歯周病,非外科,外科the Quintessence. Vol.31 No.4/2012̶0750

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