ザ・クインテッセンス2012年4月
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113歯科用レーザーをめぐる誤解を解く山本敦彦/吉野敏明*大阪府開業 (医)成仁会 藤沢台 山本歯科連絡先:〒584‐0071 大阪府富田林市藤沢台5‐4‐16*神奈川県開業 吉野歯科診療所連絡先:〒220‐0004 神奈川県横浜市西区北幸1‐2‐13 横浜西共同ビル5FClearing up Misunderstandings about Dental LaserAtsuhiko Yamamoto, Toshiaki Yoshinoキーワード:パラダイムシフト,Er:YAGレーザー,インプラント周囲炎,根分岐部病変,再生治療 レーザー治療というと「痛くない」「削る量が少ない」「先進医療」などという前向きのイメージがある半面,「言われているほどの無痛ではない」「むりやり患者に勧めている」「自費率向上のための導入」など,どこか胡散臭く感じる方も少なくないだろう.歯科用レーザーがすばらしい治療コンセプトをもった機器であるにもかかわらず,なぜこのような現象が生じるのであろうか? それを理解するには,①レーザーとはそもそもどのようなものか?②レーザーの種類とその特性,適応症とは?③ どのような経緯でわが国にレーザーが普及してきたのか?を再考する必要がある. 筆者らの結論からいえば,レーザー治療はこれまで行えなかった治療が可能になる,あるいは適応症の拡大が図れるすばらしい機器および概念であるといえる.しかし,ある部分のみが拡大解釈され,あるいは患者獲得の手段とされ,一部の販売サイド(メーカーや商社,講師)と使用サイド(歯科医師)によって歪められて普及した感が拭えない.悪い例として,「レーザーでペリオが治ります」「レーザーでエンドの難症例も治ります」「レーザーでもタービンのように削れます」等々である. そこで,歯科用レーザー治療に対する誤解を解き,本機器の正しい認識と使用法を理解していただくために本連載を企画した.テーマはズバリ,“パラダイムシフト”である.連載にあたって:歯科用レーザーに対する期待と誤解レーザーがいかなるものかを知らずにこの質問をする方が多い. レーザーとは,光である電磁波を増幅し,人工的にコヒーレント(図1)な光を発生させる装置,またはその人工的な光のことである.その高いコヒーレ1.そもそもレーザーとは? 歯科用レーザーの購入を検討中の先生から,「どのレーザーがいいの?」とよく尋ねられる.そして,1ペリオ&インプラント治療へのEr:YAGレーザーの活用the Quintessence. Vol.31 No.4/2012̶0819

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