ザ・クインテッセンス5月
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139基礎とそのパラダイムシフト山本敦彦/吉野敏明*大阪府開業 (医)成仁会 藤沢台 山本歯科連絡先:〒584‐0071 大阪府富田林市藤沢台5‐4‐16*神奈川県開業 吉野歯科診療所連絡先:〒220‐0004 神奈川県横浜市西区北幸1‐2‐13 横浜西共同ビル5FThe Basics and Paradigm Shift of Er:YAG LaserAtsuhiko Yamamoto, Toshiaki Yoshinoキーワード:Er:YAGレーザー,硬組織蒸散,レーザーの基礎知識とってつまらない話に違いない.臨床応用のコツについて早く知りたいという考えは十分理解できる.だが,本連載の目的は歯科用レーザーを真に理解してもらうことにあり,その観点からラーニングステージに沿ってレーザーの基礎から解説していきたい.1. Er:YAGレーザーとNd:YAGレーザーは別物! Er:YAG レーザーの基礎を語る前に,本連載の主眼である“レーザーに対する誤解を解く”という点と,“Nd:YAGレーザーとEr:YAG レーザーはまったく違うレーザーである”ことを説明するために,レーザーという名が付いた由来とレーザー発振原理を解説し,それを踏まえたうえでEr:YAG レーザーの基礎と特徴を示したい.はじめに 中国の明代の儒学者・王陽明は,「読書のみによって理に到達することはできない」として,実践を通して心に理を求める実践儒学の陽明学を興した.そのなかに,“知行合一”という教えがあり,知識と行為は完璧に一致しなければ事は成し得ないことを示した.また,少林寺拳法の創始者・宗道臣は,「力なき正義は無能なり.正義なき力は暴力なり」という言葉を残した.これら先人の教えは,現在の先進歯科治療の問題点を炙り出しているようである.つまり,知っていても手が動かなければ治療はできず,ましてやレーザーのような非接触治療は,その基礎と安全性を熟知しなければ患者にとって暴力装置になる. たしかに,レーザーの基礎的な話は読者諸氏に2ペリオ&インプラント治療へのEr:YAGレーザーの活用the Quintessence. Vol.31 No.5/2012̶1075

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