ザ・クインテッセンス5月
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日本歯科麻酔学会認定医 東京歯科麻酔サービス連絡先:〒107‐6130 東京都港区赤坂5‐2‐10‐3007The Importance of Enhance the Partnerships between Dentist and Dental Anesthetist about Perioperative Risk Management in Super-aging Society and the Outline of Visiting Intravenous SedationHajime Fukuda福田 原特集3手術時の全身的なリスク管理をいま一度見直す!はじめに手術時の全身的リスク管理をいま一度見直す 筆者は大学卒業後,歯科麻酔に従事したのちに開業医として24年間,多くの有病者・高齢者・いわゆる歯科恐怖症患者等に対してリスク管理を適切に行い,治療者,歯科麻酔科医の両方の立場で静脈内鎮静法を積極的に利用し,重篤なトラブルを起こすことなく安全・安心・快適な診療を提供してきた.数年前より要請を受けて歯科医院へ直接出向き,一緒にリスク管理を行いながら必要に応じて静脈内鎮静法を施行し,安全・安心・快適な診療環境を提供したり,治療・手術時のリスク管理のコンサルティングを行ったりという業務に専従している. 各歯科医院のリスク管理のレベルはさまざまであり,静脈内鎮静法に対する期待もさまざまであることを実感している.救命救急のための体制,薬剤・器材を適切に準備している医院もあれば,当初は血圧計や酸素吸入器すら設置していない医院も現実に存在していた.すべての歯科医師は,診療に際しての合併症・偶発症を適切に予防し,不幸にして生じれば的確に対応しなければならないという重い責務を等しく負っている.また,超高齢社会を迎え,さまざまな全身疾患を有した患者も増えており,歯科医師は日常臨床でますます多くのリスクにさらされている. 緊急時の診断や静脈路の確保,投薬,徒手による気道確保,気管挿管,気管穿刺といった救命救急処置は,スポーツ・楽器の演奏・匠の技と同様に,そのスキルを得るためのトレーニングが必要であり,それを維持するためには持続的な研鑽が不可欠であ超高齢社会における歯科麻酔科医との連携の重要性114the Quintessence. Vol.32 No.5/2013—1038

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