ザ・クインテッセンス8月
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歯科と金属アレルギー─チタンもアレルギーを引き起こす!─Up to Date 歯科治療においては多種類の金属材料がこれまで使用されてきた歴史があるが,金属に対してアレルギー反応が生じる可能性があることを忘れてはならない.歯科金属アレルギーの歴史は古く,1928年にFleischmannが歯科材料中の水銀に対するアレルギー症状を報告している.徳島大学病院では1987年より,歯科金属アレルギーに対する診断と治療を行うとともに,金属アレルギー患者の実態に関する疫学調査を行ってきた.アレルギー患者は経年的に増加する傾向にあり,アレルギーを起こしやすいニッケルがピアス中に高頻度で含有され,歯科金属アレルギーとピアスの関係が強く疑われている. 今回の特集では金属アレルギー全般の現状や基礎知識,一般臨床家が行うべきこと・行わないほうがよいこと,皮膚科や歯科金属アレルギー専門科との連携法などの最新情報を示す.また,これまでチタンは金属アレルギーを発症させない安全な金属であると信じられてきたが,原因金属であると確認されている症例は増加傾向にあるため,チタンアレルギーの実態に関しても解説する.さらに,メタルフリーの歯科治療についても言及する.はじめに 松香芳三特集3Metal Allergy and Dental Practice Up To Date:Even Titanium Causes Allergic SymptomsMaki Hosoki, Yoshizo Matsuka, Keisuke Nishigawa徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部生体システム栄養科学部門摂食機能制御学講座咬合管理学分野連絡先:〒770‐8504 徳島県徳島市蔵本町3‐18‐15細木真紀/松香芳三/西川啓介キーワード:アレルギー,接触皮膚炎,パッチテスト,チタン126the Quintessence. Vol.32 No.8/2013—1732

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