ザ・クインテッセンス10月
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今まで行われてきた治療法について,長期経過症例・文献をもとに,その適応と効果を「検証」し,さらに今後の展望を考察する.THE VERIFICATION検証の時代はじまる109 審美修復において,欠損部歯槽堤に対する修復処置は避けられないもののひとつである.審美領域欠損部での補綴装置はポンティックとインプラント支持型クラウンの2つが考えられる.それらの形態は審美性,機能性,清掃性に影響を与え,治療結果の永続性に大きく関与する.ほとんどの欠損部歯槽堤形態は,抜歯後の歯槽骨の吸収により異常な形態を呈しており,それに対する軟組織・硬組織のマネジメントなしには審美的な結果は得られない.また,スマイルガイドライン 現在のスマイル分析は1970年代以降の文献に帰する1~7.その流れを受けて,Tjanらはスマイルガイドライン3の基準を提唱し,スマイル時の上顎前歯京都府開業 きばやし歯科医院連絡先:〒617‐0826 京都府長岡京市開田1‐21‐21木林博之The Interface of Restorations and Periodontal Tissue:Verification of the Management of the Edentulous Ridge for Esthetic RestorationsPart1:Considerations for Esthetic Restorations and Pontic Design to Achieve Ideal Soft Tissue MorphologyHiroyuki Kibayashiキーワード:スマイルガイドライン,Pink Esthetic Score,オベイトポンティック審美修復における欠損部歯槽堤への対応を検証する第1回:考慮すべき事項とポンティック抜歯後の歯槽堤の吸収を抑えるための術前診断および治療計画の検討は,その後の治療結果を大きく左右する.本稿では,審美領域欠損部での補綴装置,および欠損部歯槽堤へのマネジメントに焦点をあて,それらに関する過去の文献と症例を通して,審美的で永続性のある審美領域欠損修復について検証する. 第1回は,イントロダクションとして前歯部審美修復において「考慮すべき事項」と欠損修復で一般的に用いられる「ポンティック」について考察する.および歯肉のみえ方を調べた.その結果,被験者の80%はスマイル時に前歯歯冠の75%以上がみえることがわかった(図1). Hochmanらは,スマイル時の歯間乳頭のみえ方によりスマイルを分類し,被験者がどのタイプに属1.はじめに:欠損部歯槽堤と補綴装置との調和を再考する2.前歯部審美修復において考慮すべき事項the Quintessence. Vol.32 No.10/2013—2159

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