ザ・クインテッセンス12月
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わかる・治る! 歯内‐歯周病変石井 歯内療法の目的は「根尖性歯周炎の予防と治療」で,これは専門医としてトレーニングを受けた歯科医師であれば,通常の根管治療とうまくいかなかった場合の外科処置でほぼマネジメントできます.通常の根管治療だと,再治療で6~7割,未処置歯治療で約9割の成功率,外科処置も成功率は9割です.そのため通常の根管治療と歯根端切除の2ステップを踏めば高い確率で治癒が望めます.しかし,これにあてはまらないものの1つが歯内‐歯周病変です. 歯内‐歯周病変の発現には人為的にできた形態と自然にできている形態の2つがあります.感染経路は図1のとおりです.たとえば,歯周病が進行し,第1部 診断のグローバルスタンダードを知る1)歯内‐歯周病変の5つの分類を歯内療法専門医の眼から 解剖学的 ・根尖孔 ・側枝・副根管 ・象牙細管 ・発生学的異常形態 非生理的 ・穿孔 ・垂直性歯根破折図1 感染経路.解剖学的,非生理的に分類される.解剖学的感染経路1.6%coronal third8.8%mid third17%apical thirdFree gingivaAttachedgingivaMucogingivaljunctionAlveolarmucosaPrincipal fibresforming periodontalligamentAlveolarboneGingival epitheliumGingival connective tissueAlveolar crest fibresCementum図2 側枝・副根管(DeDeus, JOE, 1975より改変引用).図3 発生学的異常形態.a:発育溝,b:癒合歯.癒合部分のグルーブは,根尖と歯肉溝をつなぐ細菌の通り道になりやすい.ab非生理的感染経路図4 a:穿孔,b:垂直性歯根破折.医原性の穿孔や垂直性歯根破折も細菌にとっては格好の生息場所や感染経路になりえる.ba63the Quintessence. Vol.32 No.12/2013—2565

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