ザ・クインテッセンス4月
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うつ病患者への正しい向き合い方歯科医師はうつ病のゲートキーパー特 集2FEATURE平成8年平成11年平成14年平成17年平成20年うつ病は約10年で2.4倍に増加!!▲気分変調症その他うつ病※双極性障害(躁うつ病)2.4倍4334417119241,041704444243207631Akira Toyofuku東京医科歯科大学大学院歯科心身医学分野連絡先:〒113‐8510 東京都文京区湯島1‐5‐45豊福 明キーワード:うつ病,自殺,PDM,MAPSODentist as a Gatekeeper of Depressive Patients図1 気分障害患者数の推移(単位:千人).※うつ病の患者数はICD-10におけるF32(うつ病エピソード)とF33(反復性うつ病性障害)を合わせた数はじめに 歯科医師受難の時代と言われて久しい.経営的な問題のみならず,患者層の変化から日常診療のストレスが増している.かつては健康そのものだった患者さんが中高年を過ぎ,局所麻酔1本でヒヤヒヤする高齢有病者へと変わっている.また,通常の歯科処置がスムーズに済まない,どこかすっきりしない患者さんを多くの歯科医院が抱えているのではないか? う蝕は激減したが,妙な痛みやドライマウス,味覚障害など,歯科の不定愁訴は増加しているのが現状だ. このなかでも,とくにメンタルの問題は多くの医院で対応に苦慮しているのではないか? 逆に言えば,一歩踏み出すだけで180度変わった新しい景色が見えてくる.本稿では歯科におけるメンタル面の評価と対応法について,臨床上で問題となることが多い「うつ病」に絞って解説する.東京医科歯科大学(TMDU)大学院歯科心身医学分野教授,日本歯科心身医学会理事長.1990年,九州大学歯学部卒.福岡大学医学部歯科口腔外科を経て,2007年より現職.野望は,“歯が専門だが心も診れる歯科医師”を育てること.Profile88the Quintessence. Vol.33 No.4/2014—0822

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