ザ・クインテッセンス9月
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可能性を探る歯周治療と矯正治療の連携第1回矯正とのインターディシプリナリーの歯周治療とインプラント治療とのコラボレーションFEATURE特 集 3石川知弘/喜田賢司*静岡県開業 石川歯科連絡先:〒435‐0052 静岡県浜松市東区天王町1743*静岡県開業 喜田矯正歯科医院連絡先:〒432‐8013 静岡県浜松市中区広沢2‐53‐2Seeking the Possibility of Interdisciplinary Approach between Periodontist and Orthodontistキーワード:インターディシプリナリー,歯周治療,矯正治療,インプラント治療Tomohiro Ishikawa, Kenji Kida 歯科臨床において,各治療分野がそれぞれ発展を遂げ,局所的には大きな成果が数多く報告されている.しかし,実際の臨床では,細菌性の疾患,先天性,外傷性の歯や周囲組織の欠損,歯列不正,顎骨の形態異常など,さまざまな問題をともなって複雑な病態を示している患者も少なくない.それらの問題は,個人の生活の質に大きな影響を及ぼしており,患者の運命は訪れた歯科医院がどのような治療ゴールを設定するかによって大きく左右される. 前述したように,現在は各治療分野の発達はめざましく,1人の臨床医がすべての専門性の高い治療を行うことは不可能であろう.したがって,より良い医療を提供しようとすれば,1人の患者に対しインターディシプリナリー(学際的)なアプローチが必要となる.そして一臨床医として,その治療にできるだけ携われるように,知識と治療技術の研鑽が必要となるであろう. 一方,それぞれの技術をどのように有機的にコーディネートするか,つまりインターディシプリナリーの実際についての具体的な情報はあまり多くないのではないだろうか.本連載では,筆者の経験した治療例をもとに,歯周治療,矯正治療,インプラント治療との連携に必要と思われる要点をまとめてみたい.はじめに96the Quintessence. Vol.33 No.9/2014—1940

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