ザ・クインテッセンス2015年3月
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地域に貢献できる診療所をめざして川原博雄キーワード:オーラルフィジシャン,診療システム,メインテナンスHiroo Kawahara徳島県開業 川原歯科医院連絡先:〒771‐2104 徳島県美馬市美馬町字宗重128‐120Under20歳以下の患者に関する重要トピックはじめに:地域住民の口腔の健康を守りたい 筆者は,1988年に徳島大学歯学部を卒業し,1995年に出身地である徳島県美馬市で開業した.開業後の経過は順調であったが,勤務医時代からの疑問は大きく膨らんでいた.削って被せての処置を繰り返しながら口腔内は崩壊していく.本当にわれわれは患者のためになる歯科医療をしているのか,そんな疑問を抱えながら毎日の診療をしていた.その疑問の解決策を探すために,多くの著名な歯科医師の講演を聞いてまわった(図1,2). そうしたなか,2000年に徳島大学歯学部同窓会10周年記念講演で山形県酒田市開業の熊谷崇先生の話を聴くことができた.それは今まで聞いたことがない内容で,歯科医師としての本質を問われている気当院を取り巻く環境当院のスタッフ構成図1 診療所は,徳島市から約50km西に行った美馬市にある.半径10km圏内の人口は42,644名,歯科医院が20件である.そして,15歳以下の人口が10%,65歳以上の人口が33%と少子高齢化が進んだ過疎の地域で,高い建物もなく,開院当初は,夜9時以降にあいている飲食店もなかった.図2 歯科医師3名,歯科衛生士11名,スタッフ総数22名.診察台13台,1日来院患者数80~140名.オーラルフィジシャンとしての小児とのかかわりと課題Relation and Problem with the Child by Oral Physician138the Quintessence. Vol.34 No.3/2015—0582

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