ザ・クインテッセンス2015年4月
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治療ゴールを見誤らない 補綴・修復治療計画をTooth Position 第1回:Class1/Tooth Positionについて2特 集東京都開業 中野デンタルクリニック連絡先:〒165‐0026 東京都中野区新井2‐1‐1‐2F・6F松尾幸一 Koichi MatsuoTooth Position, Occlusal Plane, Condylar Position, Necessary for Restorative Therapyキーワード: 下顎位,咬合平面,Tooth PositionFEATURE特 集 2連載にあたり 補綴治療,歯冠修復治療は一般的に歯科治療の最後になるが,治療期間が長い,あるいは複雑な治療計画となってしまうケースでは,術者が治療のゴール地点,その方向を見失うこともある(図1).そこで,今回修復治療を難易度別に分類することで,術者が治療の方向性を見失うことなく,とくにケースのフォーカス,キーポイントをどこに置くかを難易度別に3回にわたって解説したい.難易度の見極めとは? 治療ゴールを見誤らないための修復治療における難易度の見極めとその対処法を図2に示す. 図2のように,実際の臨床の現場では,歯科医師側で臨床的に問題がない,患者側が実生活において問題にしていないとするケースが多い.①顎関節,下顎位,②咬合平面,③Tooth Positionのどれももちろん大切な項目であるが,初診時に①顎関節,下顎位に明らかに大きな問題がある患者に臼歯であれ,前歯であれ,いきなり形成,印象,クラウンの装着ということはない.それは咬合するための開閉口筋,下顎位が定まらない,現在の咬み合わせの状態が信用できないことを歯科医師が認識しているからである. 初診時に顎関節に関しては,問診,視診,触診やAPI,CPIを使用する場合もあるし,シロナソグラ図1 筆者が考える治療の流れ.下顎位急まず症状を抑えてから,スプリント,投薬・咬合面形態・上下の嵌合状態など・日常生活における不自由の有無の問診・筋触診,聴診・CPI・CADIAX(シロナソグラフ)POINT:このマウントのときの上下の犬歯関係をみる!筋のスパズム,クリッキング,クレピタス不安定安定日常生活において問題にしていない,歯科医師が問題とならないと判断慢CPI,CADIAXなどで顆頭の位置(静的,動的状態)の確認上下マウント(アーチインテグリティ,Tooth Position)下顎位が安定するかどうかの判断・犬歯関係・アンテリアガイダンス・カップリングワックスアップ補綴でいけるのか?矯正してから補綴?54the Quintessence. Vol.34 No.4/2015—0716

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