ザ・クインテッセンス 2015年6月
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ここ数年,長年にわたりメインテナンスで診させていただいていた患者がご高齢のため来院が途絶え,のちに入院や介護施設に入所されたことを聞かされることが多くなった.中には訃報に接することもある.当時50,60代だった方もいつの間にか後期高齢者となり,平均寿命を超えている方も多い. 多くの患者は健康で階段を上がってこられるが,中には杖をついてやっとの思いで階段を上がって来られる方や,家族や介護関係の方に手を携えられながら来院される方もいらっしゃる. これまで歯科医療の主体は診療室(外来)であった.しかし,患者受診率を年代別にみると70~74歳を境目にその後は高齢者の外来受診率が急速に低下している.そこには治療や口腔ケアに通いたくても通えない現実がある(図1,2)1,2.「時代によって求められる医療は変わる.医療需要に供給を合わせる必要がある」と国立長寿医療研究センター名誉総長の大島伸一先生は言う.時代の要請に,われわれはどう応えるべきなのか考えてみたい.鹿児島県開業 白石歯科連絡先:〒891‐0143 鹿児島県鹿児島市和田1‐23‐6 ユーミー大御堂Ⅱ2F白石豊彦What is Really Required of Primary Care Dentists in Super Aged Society─End of Self-contained Hospital Care and Start of Integrated Community CareToyohiko Shiraishiキーワード:超高齢社会,医療需要,健康寿命,地域包括ケアFEATURE特 集 1在宅医療に一歩踏み出して─病院完結型の終焉,そして地域包括ケアへ超高齢社会で真にかかりつけはじめに:医療需要に合わせて変わらねばならない歯科医療42the Quintessence. Vol.34 No.6/2015—1148

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