ザ・クインテッセンス 2015年6月
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施設緩和ケア死亡長期ケア第4回(5月号)第4回(5月号)第1回 生活参加への歯科のかかわり 2月号第2回 “急性期”に歯科は何ができるのか 3月号第3回 “回復期”に歯科は何ができるのか 4月号第4回 “長期療養施設”で歯科は何ができるのか 5月号第5回 “在宅”で歯科は何ができるのか 6月号第6回 総括:歯科がすべきことは山ほどある 7月号全6回連載目次(予定)リハ病院回復期ケア第3回(4月号)はじめに 在宅で生活する理由は,経済的問題,適切な長期療養施設が近傍にない,急性期病院退院後の受け入れ施設の空きを待つためなど,多様である.その結果,様態も,原疾患の特性だけでなく,経過や居宅の環境等の周辺の要素による影響を受けて多様になる. 在宅患者は,本シリーズで示した住環境ごとの特性のすべてを有しており,各々で提供される医療やケアを同時に必要とすることが多いが,現実には不十分な医療的ケアしか受けていないと考えられる.また,経過が長くなるほど病態が複雑になるため,一時的な障害の評価だけでは誤った結果に至ることがある.さらに,急性疾患を発症していなければ,医療的ケアは行われず,長期的には多くの全身機能の廃用化が生じる.すなわち,このシリーズのなかでもっとも対応が難しい場合といえる. 在宅での日常のケアの担い手は家族である.ときどき出かける歯科医療職が在宅患者本人にとって最良と思われる提案をしても,家族の介護負担が増大するような提案では,長期に継続できない.したがって,家族の協力を得ながら在宅でのケアを行うには,家族の介護負担を軽減するインセンティブや到達可能な短期目標が必要になる.はか117the Quintessence. Vol.34 No.6/2015—1223

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