ザ・クインテッセンス 2015年10月
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私の診療スタイルと治療計画立案のフィロソフィ筆者の歯科医院筆者の考えるプランABCと臨床の実際当院が入居するビルの外観と周辺地図 筆者の開業場所である福岡市は,政令指定都市のなかで人口増加率と,若者(15~29歳)の人口比率がいちばん高い(19.2%)都市である.当院はその福岡市中心部近くに位置し,場所柄か新患は20,30歳台で約6割を占める.したがって限られた予算,通院期間での患者がほとんどであり,術者が思うように治療を行えるケースは極めて稀である. 最近は必要最小限の介入で治療効果の大きい(「費用対効果:コストパフォーマンスの良い」という言い方はやや語弊がある気がするが)方法を提案するのが主流である.つまりMIを意識しつつオーバートリート メントにならないよう配慮しながら,それぞれの実情(治療期間,その間の不自由さの程度,経済状況,価値観等)に合わせた治療を行うことが圧倒的に多い.プランA患者に治療費,治療期間の制限がなく,術者からは長期予後が望め,患者には審美的,機能的に満足度の高い,いわゆる術者が思うように治療を行えるケースプランB主訴の改善を優先的に考え,治療費や治療期間は患者の許す範囲で,患者にはそれなりに満足度が与えられるよう行うケースプランC主訴の部位の治療を必要最小限行い,治療費と治療期間は極力抑えて行うケースプランA5%プランB70%プランC25%当院で患者が最終選択する治療計画ABCの割合図1 筆者の歯科医院のあらまし.図2 筆者の考えるプランABCと臨床の実際.スタッフの人数構成と勤務年数歯科医師₂名 (卒後24年〔筆者〕,卒後7年〔勤務医〕)/歯科衛生士3名 /受付₁名 1日の平均来院患者数と内訳患者は1日平均30名(治療:メインテナンス=7:3)チェア数4台 開業年数16年院内風景博多駅天神駅71the Quintessence. Vol.34 No.10/2015—2101

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