ザ・クインテッセンス 2015年10月
6/8

 「歯科医師」という職業の将来を,みなさんはどのように描いているでしょうか. 時代が移りゆくなか,歯科界の今後の発展を考えると,将来の歯科医療を担う人材となる優秀な若い人が競って「この業界に入りたい」と思うような憧れの職業とすることが必要ではないでしょうか.米国では,歯科医師はこの10年間「なりたい職業」のベスト3に常に入っています.それに対して,日本では10年以上前から「閉塞感に満ちている」と言われ,いっこうに変化の兆しがありません. 職業を選択する中高生に「私たちの業界は,プロフェッショナルとしての自分を磨くことができる管理制度,教育制度がこれだけきちんとしています.しかも,社会,人びとの暮らしに大きく貢献するすばらしい職業です.皆さん,私たちと一緒に働きませんか?」と堂々と言えることが大事だと思うのです.そのためにどうしたらいいかを真剣に考えなくてはいけません.それには,歯科業界のなかで話し合うだけでなく,政治や経済,理学,文学などいろいろな分野の人たちと話し合い,解決法を考えていく必要があります.その結果,変えられないことは忍耐を持って受け容れ,変えられることについては勇気を持って実行していくことが大切です.多少の犠牲はあるかもしれません.しかし犠牲をともなわない改革はないのです.まずは変えられることと変えられないことを分別することから始めていきたいのです. そこで今回,歯科医師であり,歯科医療政策づくりに詳しい自民党参議院議員である島村大先生と一緒に,“歯科医療の質”を広い視点から検討してみたいと思います.2025年に向かって超高齢社会における歯科への期待は大きいものです.その国民の期待に応え,自らを成長させるために“歯科医療の質”をもう一度考え直していきたいと思います.        (黒田・鶴田)歯科の質の保証若手歯科医師が議員と考える緊急座談会企画にあたって自民党参議院議員,歯科医師連絡先:〒240‐0013 神奈川県横浜市保土ヶ谷区帷子町1‐40‐1‐2F*東京都開業 黒田歯科医院連絡先:〒184‐0004 東京都小金井市本町5‐23‐11*1東京医科歯科大学医歯学融合教育支援センター連絡先:〒113‐8510 東京都文京区湯島1‐5‐45島村 大/黒田俊太郎*/鶴田 潤*1キーワード:歯科の質,保険制度,更新制FEATURE特 集 4114the Quintessence. Vol.34 No.10/2015—2144

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です