ザ・クインテッセンス 2015年11月
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私の診療スタイルと治療計画立案のフィロソフィ筆者の歯科医院筆者の考えるプランABCと臨床の実際当院の外観 郊外で駅からも離れた当院では,基本的に保険治療を中心として地域の幅広い年代の患者さんが訪れるが,同時に歯周病専門医を探して少し遠方から来院される方も多く,40~60代の方が割合としては多い.診療では,歯の保存を第一に,それぞれの患者にとっての最小の侵襲と最大の効果が何かを考えながら治療計画を立案し,治療を行っている. 歯の保存を大事にしていることが患者にも伝わり,それを求める方が多いものの,地域柄かプランAを選択することは少なく,良くてプランB,プランCを選択する方が圧倒的に多い.ただ,上記プランCのように考えて対応した症例が予想に反して良い経過をたどることも多く,そこが臨床の楽しさだと感じている.プランA患者要素を排除して考えたときにベストと考えられる方法.その患者にとって多少オーバートリートメントになる可能性があっても,できるだけやり直しのリスクが少ない方法.プランBプランAに患者要素を合わせてベターと考えられる方法.最小限の侵襲で最大限の効果を求めたときのプラン.将来的に修理,やり直しの可能性があっても,対応しやすい形を説明をしたうえで選択.プランC経済的背景,審美的要求など患者の要求が大きく,早期にやり直しのリスクがあったり,必要な介入を行えなかったときなど.プランA5%プランB25%プランC70%当院で患者が最終選択する治療計画ABCの割合図1 筆者の歯科医院のあらまし.図2 筆者の考えるプランABCと臨床の実際.スタッフの人数構成と勤務年数歯科医師7名 (常勤2名,非常勤5名)/歯科衛生士6名 (常勤1名,非常勤5名)/受付・助手4名 (常勤2名,非常勤2名)1日の平均来院患者数と内訳患者は1日平均50名(治療:メインテナンス=7:3)チェア数5台 開業年数40年(筆者の臨床年数:14年)院内風景117the Quintessence. Vol.34 No.11/2015—2385

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