ザ・クインテッセンス 2016年7月
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FEATURE特 集 4東京歯科大学名誉教授連絡先:〒261‐0011 千葉県千葉市美浜区真砂1‐4‐16下野正基キーワード:リバスクラリゼーション,病理学的考察,再生,創傷治癒Pathological View of RevascularizationMasaki Shimonoリバスクラリゼーションの病理学的考察はじめに 歯髄壊死をともなった根未完成歯に血管再生を起こさせる処置がリバスクラリゼーション(revascularization)である.2001年 Iwayaらによって報告されたこの方法1,2は,根尖部に硬組織が形成されることから,近年とくに再生歯内療法として国際的に注目を集めている3,4. この新しい治療法が初めて紹介された時,リバスクラリゼーションの治癒過程で重要な役割を担っているのは,根尖部に残った歯髄細胞と根尖周囲に存在する根尖部歯乳頭である,と考えられた5,6. その後,リバスクラリゼーションに関する非常に多くの実験的研究および症例報告によって,さらに新しい知見がもたらされてきている. それらをふまえながら,本稿では,以下について述べてみたい.1.根未完成歯の根管処置➡P.1012. 歯根形成におけるヘルトヴィッヒ上皮鞘の役割は何か?➡P.1023. リバスクラリゼーション後に象牙質は再生されるか?➡P.1044. リバスクラリゼーション処置後に根管が狭窄し,歯根長が伸びるのはなぜか?➡P.1055. 再生と修復(創傷治癒)の違いは何か?➡P.1096. 意図的出血の意義は何か?➡P.1107.リバスクラリゼーション処置後の治癒➡P.1118. リバスクラリゼーション処置後の硬組織形成  ➡P.1129.歯髄壊死の臨床診断➡P.11310. 根完成歯におけるリバスクラリゼーションの可能性は?➡P.114100the Quintessence. Vol.35 No.7/2016—1588

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