ザ・クインテッセンス 2016年7月
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はじめに 根尖部を安全に洗浄しようとすると,Passive Ultrasonic Irrigation(PUI)と根管内吸引洗浄を組み合わせた洗浄法に行き着く.このようにしてきれいにした根管内を歯科用顕微鏡で観察すると,根尖部を観察することが可能である(根管内根尖部観察法).本稿では,根管内での洗浄液の動態を示し,根管内根尖部観察法について解説する.根尖部の状態がわかったところで,根管長測定法を考えてみたい.1根管洗浄液の流れ 緑色に着色した水を使用して,根管形態を模倣し東京都開業 吉岡デンタルオフィス連絡先:〒101‐0062 東京都千代田区神田駿河台2‐3‐13 鈴木ビル1F吉岡隆知臨床で困らない歯内療法の基礎第7回 根尖部の肉芽と根管長測定卒後3年以内に読む!根管洗浄液の流れ:シリンジ洗浄図1 洗浄針を根管中央部に,根管バキュームは根管口部に設置した.図2 洗浄液は根尖方向に広がっていく.図3 根管全域に広がっているが,根尖部には気泡が認められる.Vapor Lockといい,シリンジ洗浄の時に出現する.この部分では根管壁に洗浄液はほとんど接触していない.Vapor Lockがあるとその部分の洗浄はできないが,意義はまだよくわかっていない.図4 しばらくするとVapor Lockはなくなっているが,根尖孔から多量の洗浄液が溢出している.図1図2図3図4150the Quintessence. Vol.35 No.7/2016—1638

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