ザ・クインテッセンス 2016年8月
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日本の高齢化の推移歯科の取り組み1970年高齢化社会(高齢化率7%超)健康長寿への取り組み1989年「8020運動」啓発活動(日本歯科医師会)まずは日本の   今,歯科医師が考えるべきこと,できることオーラルフレイル社会医療法人原土井病院歯科/摂食・栄養支援部連絡先:〒813‐8588 福岡県福岡市東区青葉6‐40‐8*国立研究開発法人国立長寿医療研究センター 老年学・社会科学センター連絡先:〒474‐8511 愛知県大府市森岡町7‐430*1地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター研究所社会科学系 連絡先:〒173‐0015 東京都板橋区栄町35‐2岩佐康行/荒井秀典*/渡邊 裕*1キーワード:オーラルフレイル,サルコペニア,介護予防,口腔健康管理Oral Frailty Syndrome : What We Have to do in Order to Maintain the Oral Health of ElderlyYasuyuki Iwasa, Hidenori Arai, Yutaka Watanabe 2007年に超高齢社会を迎えた日本では,2025年に団塊の世代が75歳以上となり要介護高齢者が急増すると予想されている.また,近年は世界的にも社会の高齢化への対応が課題となっており,介護予防に関する研究が進められている.2014年には日本老年医学会が「フレイルに関する日本老年医学会からのステートメント」を発表した.フレイル(Frailty)とは,高齢期に生理的予備能が低下することでストレスに対する脆弱性が亢進し,生活機能障害,要介護状態,死亡などの転帰に陥りやすい状態1とされている.可逆的で,適切な介入を行うことで回復しうる状態であるため,早期における発見と対応が重要である. 千葉県柏市における大規模研究「栄養とからだの健康増進調査」2では,このフレイルと口腔機能の低下が大きくかかわっていることが示され,2015はじめに 岩佐康行FEATURE特 集 152the Quintessence. Vol.35 No.8/2016—1778

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