ザ・クインテッセンス 2016年8月
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1994年高齢社会(高齢化率14%超)2007年超高齢社会(高齢化率21%超)2000年介護保険制度の導入2000年21世紀における国民健康づくり運動(健康日本21)2015年高齢者人口3,384万人(高齢化率26.7%)1996年「生活習慣病」の概念(公衆衛生審議会)2005年「メタボリックシンドローム」(日本内科学会等内科系8学会)2007年「ロコモティブシンドローム」(日本整形外科学会)  P55で解説2010年「サルコペニア」の定義を提案欧州(EWGSOP)2013年「サルコペニア」アジア人の診断基準(AWGS)  P54で解説2015年「オーラル・フレイル」啓発活動(日本歯科医師会)2014年「フレイル」に関するステートメント(日本老年医学会)  P52で解説 高齢化の推移と歯科,健康長寿への取り組みの歴史をみてみよう年に日本歯科医師会が開催した「健康寿命延伸のための歯科医療・口腔保健 世界会議2015」において,「オーラル・フレイル」という概念が提言された3(以下,オーラルフレイルと表記を統一する).同年,日本老年学会総会における日本老年歯科医学会と日本老年医学会の合同シンポジウムでは,オーラルフレイルの概念についての検討がなされた.このように注目されているオーラルフレイルであるが,その定義は決まっていない. しかしながら,日本社会の現状を考えると対応は急務である.本年度の診療報酬改定では,地域包括ケアシステム推進のための「かかりつけ歯科医機能」として,在宅における口腔リハビリテーションの実施や,病院における栄養サポートチームへの参加などが新たに評価されている.従来のう蝕や歯周病の管理から一歩進んで,口腔機能の管理や栄養支援がこれからの歯科の役割として期待されているのである. そこで,本企画では現時点におけるオーラルフレイルの概念についてまとめたうえで,歯科開業医がすぐに行うことができる対応についての提案を行う.53the Quintessence. Vol.35 No.8/2016—1779

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