ザ・クインテッセンス 2016年10月
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はじめに 前号では,シリーズ「治療計画“プランB”の歯科臨床」に則って『前歯部審美領域におけるプランB:Case1』としてそれぞれの状況においてのプランA,B,Cについて記述した.実は,筆者の日常臨床では,前号のケースと同様に最良と思われる矯正治療(プランA)が,さまざまな理由により選択されない場合も多い(プランBの選択が80%,前号図2を参照). 今号では,「治療計画“プランB”の歯科臨床」の追補として,審美領域のプランBに限定して話を進め,その位置づけと治療の実際を整理していくことにする.図1a~e このような審美障害を主訴とした叢生をともなう症例において治療を計画する場合,筆者としては,審美,咬合,MI等のあらゆる観点からみても,第一選択となるのは間違いなく矯正治療であると考える.しかし,治療期間の長期化や装置の煩わしさ,抵抗感などを理由に最良と思われる矯正治療を選択されない場合も残念ながら少なくない.そこで,今回はプランAを選択しなかった,あるいはできなかった患者に対してセカンドプランであるプランBで,ティッシュマネジメントを含めた補綴的形態を駆使して,審美性の回復をいかにプランAに近づけていくかについて記述していくつもりである.abdce初診時の口腔内写真103the Quintessence. Vol.35 No.10/2016—2289

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