ザ・クインテッセンス 2016年11月
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EBMとNBMから考える三次元的下顎位その治療手技と治療後の安定について後編FEATURE特 集 4中村茂人The Three-dimensional Mandibular Position in Consideration of EBM and NBMPart2. Its Therapeutic Procedure and the Postoperative CourseShigeru Nakamuraキーワード: Deprogramming,Narrative,咬合高径決定法東京都開業 デンタルクリニック アレーズ銀座連絡先:〒104‐0061 東京都中央区銀座5‐5‐16 銀座テーラービルディング7Fはじめに 力という観点から診ると「歯の保存」と「咀嚼効率」は相反する.極端な話,歯を守ることだけを考えるならば,咬めなくするほうが優位となる.しかし,小出1は顎口腔系の調和が乱れる咬合治療がなされた場合,治療直後ではなく,数か月~1年以上経過してから顎関節,筋,全身のさまざまな症状が出現すると述べている.また,石川,小林ら2はブラキシズムや顎関節症,自律神経系症状と下顎頭の位置関係には相関関係が認められることを示唆している. これらより,筆者は,この「歯の保存」と「咀嚼効率」という相反する両輪を確立するうえでは下顎位安定と適正な咬合が重要であると考えている. 前編1では,下顎位の問題が口腔領域に及ぼす影響と問題点を診断するためのヒントについて述べた.また,理想咬合と機能美についても提示した. 後編では,実際の下顎位を決定するための手技と変化について報告し,考察したい.beforeafterMovieスマホで動画が見られる!(使い方:P7参照)P86,99, 10484the Quintessence. Vol.35 No.11/2016—2524

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