ザ・クインテッセンス 2016年11月
5/8

歯科医療の第3回理解しておきたい病因論 ②基本的な免疫・炎症反応,宿主由来のリスクファクター編-歯周病学の観点から-イノベーションを考える20年先を見据えた112the Quintessence. Vol.35 No.11/2016—2552FEATURE特 集 5築山鉄平/宮本貴成*Exploring Our New World of Periodontal Maintenance : Biology Dictates Success, Innovation Create Future.Part3 : Novel Concept : Impact of Host related Periodontal Risk Factor to Infection, Immunity and InflammationTeppei Tsukiyama, Takanari Miyamotoキーワード: 免疫・炎症反応,リスクファクター, 外傷性修復因子福岡県開業 つきやま歯科医院専門医療センター連絡先:〒811‐1302 福岡県福岡市南区井尻5‐25‐6*クレイトン大学歯周病科B:歯周炎ステージA:歯肉炎ステージプロスタノイドサイトカインMMP抗体好中球(PMN)抗原他の病的要因結合組織と骨の代謝連載3回目に解説宿主免疫-炎症反応連載3回目に解説細菌性プラーク(歯周病原細菌)連載2回目に解説疾患の発症,進行の臨床症状歯周ポケット内歯周組織内生活習慣に由来するリスク→連載4回目に解説宿主由来のリスク→連載3回目に解説①②③④今月は ココ! 先月号にも示したようにPage and Kornmanによって加えられた1997年モデル(上図)1では,4つのボックス間を左右に行き来するだけの単純な一方通行あるいは往復ではない,歯周病原細菌の存在が自動的に1つの宿主反応パターンを引き起こし重篤な破壊をもたらすものではないことを説明した.この宿主反応には幅があり,この幅は遺伝的・先天的1はじめになリスクファクターや環境的・後天的リスクファクターによって第一に決定される1~3.そしてこのリスクファクターは主に真ん中2つの青色ボックスに作用する(上図).このイメージしにくい2つのボックスを理解することは,単に歯周病が感染性疾患という性質以上に炎症性疾患という側面の理解につながる.

元のページ 

page 5

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です